エポキシの粘度について
当店で取り扱っているエポキシ樹脂の粘度についての質問が多く寄せられるのでここで説明しておきます。
粘度については、文字や言葉だけではどうしても正確に伝えることができません。できるならば、ぜひシステムスリーのエポキシを少量でもよいのでお試しください。ひとつでも実際に使っていただければ、それを基準にして他のエポキシの粘度も容易に想像できるでしょう。
右写真はシステムスリーエポキシです。
粘度を表す単位は、ポアズ(Poise/略してP)が使われます。
1P=100cP=1gf/cm・s、国際単位系ではPa・s 1Pa・s=10P
(cPはセンチポアズ)(cpsも同義です)
<システムスリー製品の粘度>
↑ 粘 度 小 さ い 粘 度 大 き い ↓ |
超低粘度 エポキシ |
・S-1シーラー(100cps) ・クリヤーコート(400cps) これら2種類のエポキシはサラダ油やオリーブオイルと同程度の粘度と考えてよいでしょう。 ・マリンスパーバーニッシュ(油性ニス)(200cps) |
---|---|---|
低粘度 エポキシ |
・SB-112(470cps) ・シルバーチップエポキシ(700cps) ・システムスリーエポキシ(平均値:950cps) サラダ油などよりは少し粘り気が大きくシロップ状の粘度です。 システムスリーエポキシの3種類の硬化剤は、#1(ファースト)が最も粘度が大きく、#3(スロー)が最も粘度が小さい。 ・WR-LPU(水性ポリウレタン塗料)(900-1000cps) |
|
粘度大 (接着剤) |
・ゲルマジック接着剤(4000cps) ・メタルウェルド(9000cps) 市販の2液型エポキシ系接着剤と同様で水あめ状の粘度です。 |
|
粘度 非常に大きい (ペースト、 パテ) |
・EZフィレット(70000cps)・・・軟らかいペースト状です。 ・クイックフェアー(480000cps)・・・バター状 ・スカルプウッドペースト(データなし)・・・ペースト状です。 ・スカルプウッドパテ(計測不可)・・・軟らかい粘土状です。 |
比較のため下表も参照ください。粘度の単位はcP(センチポアズ)です。
0℃ | 25℃ | 50℃ | 75℃ | 100℃ | |
積層用ポリエステル樹脂 | - | 300-600 | - | - | - |
ゲルコート用樹脂 | - | 1500-1800 | - | - | - |
ひまし油 | - | 700 | 125 | 42.0 | 16.9 |
硫酸 | - | 23.8 | 11.7 | 6.6 | 4.1 |
水(20℃で1.0cP) | 1.792 | 0.89 | 0.282 | ||
アセトン | 0.402 | 0.312 | 0.247 | 0.200 | 0.165 |
グリセリン | 1069(20℃) | ||||
空気 | 0.018(20℃) | ||||
ガラス | 1015(400℃)、109(800℃) |
エポキシは、2液(樹脂と硬化剤)を混合して使用します。樹脂と硬化剤は全く別の物質なので粘度が異なるのが普通です。
システムスリーエポキシの場合、#2硬化剤に比べると#1硬化剤は粘度が高く、#3硬化剤は粘度が小さくなっています。
また、上の表からも分かるように、一般に液体は温度が高いほど粘度は小さくなり、逆に温度が低いと粘度は著しく増大します。エポキシも性質は同じです。真夏の30℃のときと、真冬の0℃のときとでは粘度は相当に差があります。低粘度のエポキシでも、0℃では粘度が非常に大きくなり、計量ポンプで吸い上げることにも非常に時間がかかるようになります。そのような場合はエポキシを少し温めてやるとよいでしょう。