木材補修の方法
おすすめする木材補修のパターンを解説します。
補修の手順、必要な材料などをしっかりと理解しましょう。
そのうえで、補修箇所を確認し、補修に必要な材料をそろえましょう。
ひとつひとつの手順を踏んでいけば全く難しいことではありません。誰にでもできます。
(1)木材の下処理
腐ってボロボロになった部分は取り除きます。ドライバー、ノミ、ワイヤーブラシなどを使います。きれいな下地の木部が出るまで行います。
(2)防腐処理(防腐剤水溶液の塗布)
ティンボアは粉末の防腐剤です。これを水に溶かして使用します。ハケやスプレーを使用してたっぷりと塗布します。厚い木材や浸透性の大きい木材には、時間をおいて何度も塗布するとよいでしょう。ティンボアは安全で効果が長続きするホウ素系防腐剤です。
ティンボアの詳細
※防腐処理を行なわずに補修だけ行うこともできますが腐食が再発生するおそれがあります。腐食が再発生するとさらに大掛かりな補修作業が必要になるでしょう。補修の際に防腐処理も合わせて行うことをおすすめします。
ボレートロッド(円柱形の固形防腐剤)も効果的です。
ボレートロッドの詳細
(3)液体エポキシを塗布する
液体のエポキシ樹脂は木材によく染み込んで硬化しますので弱くなった木材の補強に最適です。エポキシ樹脂は硬化後も収縮しません。また防水の役割も果たします。
補修する部分に液体エポキシを塗布します。木材によく染み込む場合はしばらく時間をおいて何度も塗布します。
システムスリーエポキシの詳細
(4)エポキシパテを盛り付ける
液体エポキシにフィラー(粘度を増すための粉)を混ぜてパテを作ります。
混ぜるフィラーの量によって軟らかいペースト状から固いパテまで作ることができます。
細かいひび割れには軟らかいペーストがおすすめです。ヘラなどで充てんできます。
大きな欠けなどには粘土状にしたパテを盛り付けていきます。このとき、最初に塗った液体エポキシは完全に固まっていなくてもかまいません。同じエポキシ系なのでお互いによく接着します。
システムスリーエポキシと木材補修フィラーの詳細
(5)仕上げ(研磨と塗装)
エポキシパテは、暖かい時期であれば一日ほどで硬化します。十分に硬化してから研磨して平滑に仕上げます。
最後に塗装して仕上げます。塗装するとパテと木材の色違いを消し、修理跡は全く分からなくなるでしょう。新品の状態に戻すことができるでしょう。また、塗装は防水の役割も果たします。
防水効果をさらに高めたい場合は、最終塗装の前に液体エポキシを塗ってコーティングするとよいでしょう。コーティングする場合は、3回くらい塗り重ねるとコーティング層が厚くなり完全な防水効果が得られます。エポキシが硬化したら研磨して最終的な塗装をして仕上げます。
システムスリーエポキシの詳細
<木材補修用の製品一覧>
■ティンボア、ボレートロッド 木材用の殺虫、殺菌、防腐剤ティンボアは粉末状、ボレートロッドは固形のホウ素系木材保存剤です。人間には毒性の小さい安全な殺虫、殺菌、防腐剤です。 木材の補修前にこれらで処理しておけば新たな腐食をストップすることができるでしょう。
■システムスリーエポキシと木材補修フィラー 低粘度エポキシ樹脂とパテ材料のフィラー液体のシステムスリーエポキシは傷んだ木材に深く浸透し、強くて耐水性のあるベースを作ります。また、木材補修フィラー(粉末)を混ぜることで、パテやペーストを作ることができます。
■木材補修キット 防腐剤 +低粘度エポキシ+パテの材料+作業道具木材補修キットは防腐剤によって木材の腐食を止め、エポキシによって損傷した部分を補修するトータルな木材補修キットです。家屋、ログハウス、ウッドデッキなどに。ちょっとした補修ならばこれで十分でしょう。
■スカルプウッド ペースト 木材補修用ペースト切削や研磨が可能なペーストです。硬化収縮しません。下地に強力に接着します。
■「木材の補修ハンドブック」 木材の補修についての解説本
木材の補修について、20を超える実例をまじえて詳しく解説しています。
エポキシの基本からパテの作り方、補修方法、仕上げ塗装など役に立つ情報が満載です。
●木材補修のビデオ(※メーカー製作の英語版です)