システムスリー製品の使用例
ー ボートキャリアーの製作 ー
ボートやカヌー、カヤックなどを一人で運搬するのは大変です。
そこでこのようなボートキャリアーを作ってみました。
重いボートでも一人で簡単に運搬できます。
ちなみにこのカヌーも私が製作したものです。
<材料>
- 合板(厚さ12ミリ、19ミリ)
- 一輪車用のタイヤ・・・2セット
- 12ミリボルト、ワッシャー、ナット・・・各2個
- フォーム材(パッドに使用)
<接着剤、用具、工具など>
- システムスリーエポキシ(低粘度エポキシ樹脂)
- フィラー(シリカシックナー、ウッドフラワーなど)
- EZフィレット(エポキシパテ)
- メタルウェルド(金属用エポキシ接着剤)
- エポキシの計量、混合、塗布用の道具 ⇒ 計量カップ、混合ヘラ、ハケ、グルーブラシなど
- ファイバーグラスクロス
- ゴム手袋、のこぎり、ドリル、かんな、やすり、のみ、クランプ
- サンダー、サンドペーパー、サンディングブロック
- WR-LPU(仕上げ用塗料)、塗装用ハケ
- ラッカーシンナー(道具の清掃用)
(1)材料の準備
まずどのようなものを作るか考えて、簡単でよいので寸法などを決めて図面を書いておきます。
合板を切り出します。車軸の入る切り欠きを作ります。まずドリル(フォスナービット)で穴を開けてから両側を切り取ります。
(2)仮組み
部品が揃ったら仮組みをします。クランプなどで仮止めして無理なところや間違いがないか確認します。位置が決まれば下穴を開けてコーススレッドで仮組みします。
(3)組み立て
仮組みを一度ばらします。システムスリーエポキシにウッドフラワーを混ぜて作った接着剤を接着面(両面)に塗布します。エポキシが木に吸収されるようなら時間をおいてさらに塗布します。接着したときに十分に接着剤がはみ出るようにたくさんつけます。そして接着してコーススレッドで固定します。接着面からはみ出した接着剤を、先の丸いへらでなでて丸くします。これを「フィレッティング」といいます。フィレッティングは角の接着を補強するとともに、ファイバーグラスクロスの貼り付きをよくする目的があります。
板の間隔を確かにするために車輪を仮止めして接着剤を硬化させます。
(4)ファイバーグラスクロスでの補強とエポキシコーティング
防水のため全体をエポキシでコーティングするとともに、角にファイバーグラスクロスを貼り付けて補強します。
準備として外側の角をやすりで丸めます。これは、ファイバーグラスクロスがぴったり貼り付くようにするためです。
コーティングする前に、必要な穴あけも行っておきます。
ファイバーグラスクロスを適当な大きさに切って角に置きます。その上からシステムスリーエポキシを塗ります。逆に、先にシステムスリーエポキシを塗っておいてからファイバーグラスクロスを貼り付けてもよいです。同様に全てのコーナーにファイバーグラスクロスを貼り付けて補強します。同時に全体にエポキシを塗ってコーティングします。穴の内部に塗布することも忘れずに。
全体へのエポキシ塗布が終了した状態。
くっつかないようにポリ袋を敷いています。
(5)上部パーツの製作
上部パーツ(実際にボートを載せる板の部分)を製作します。
材料を切り出して準備します。
ボルトの入る穴を開けます。材料が揃ったら接着して組み立てます。ここではポリウレタン接着剤を使用していますが、エポキシ接着剤でもよいです。コーススレッドも併用してしっかりと組み立てます。接着剤が硬化するまでクランプで固定します。
接着剤が硬化したら、角を削ってサンドペーパーで研磨しておきます。
上部パーツに埋め込むボルトを用意します。ここでは直径12ミリのボルトを使用しています。まず必要な長さに切断します。ナットがスムースに入るように切り口の潰れたねじ山を三角やすりで直しておきます。
ボルトを接着します。金属用の接着剤「メタルウェルド」を使用します。混合したメタルウェルドをボルトと穴の内部にたっぷりと塗布します。ボルトをゆっくりと穴に差し込んで固定します。はみ出した接着剤はきれいに拭き取ります。
取り付け終了後のボルト。
(6)研磨、塗装
パーツの形はこれで出来上がりました。次に塗装を行います。
エポキシの上に塗装を行う場合は研磨しなければなりません。まず、貼り付けたファイバーグラスクロスの縁がガサガサになっているのでのみややすりを使って大まかにバリを取ります。それから、サンダーで研磨します。初め80番くらいで最後に120番くらいのペーパーで研磨します。
研磨が終了したら、研磨かすをきれいに拭き取り塗装に移ります。上部パーツにはエポキシコーティングを行っていないので防水のための塗装です。下部パーツはエポキシを紫外線から保護して耐久性を持たせるために塗装を行います。ここではシステムスリーのWR-LPUを使用しています。WR-LPUは水性のため臭いもなく大変使いやすい塗料です。
塗装は最低でも2-3回は塗り重ねます。
塗装が終了したら十分に乾燥させます。
(7)仕上げ、組み立て
上部パーツにパッドを取り付けます。パッドには硬めのフォーム材を使用しました。フォームは弾力があるのでカチカチになるエポキシ系接着剤よりは、軟らかいゴム系の接着剤の方が相性が良いです。3箇所にパッドを取り付けました。
完成したパーツです。あとはパーツを組み立てるだけです。
車輪を取り付け、下部パーツと上部パーツを組み付けるだけです。
上部パーツの取り付け位置は2箇所から選択できるようにしています。写真は中寄りの位置に取り付けた状態です。カヌーやカヤックなどの船体が細いボート用の位置です。
もうひとつの取り付け用の穴が車輪の上に開いています。ここに上部パーツを取り付けると幅の広いローボートなどに対応できます。
運搬するときは、何かの拍子でボートが転落しないようにバンドで固定しておくとよいでしょう。
上部パーツにはバンドが外れないようにくぼみが作ってあります。