安全衛生について
エポキシの作業をはじめ、塗装、道具の洗浄などにおいて様々な有害な化学物質を使用します。誤った使い方や処理を行なうと、健康への被害や火災、爆発の恐れがあるので十分に注意して使用してください。
■エポキシ使用時の注意
エポキシの硬化剤にはアミン類の化学物質を含んでおり、長時間の接触や繰り返しの接触で皮膚炎を起こすことがあります。エポキシ使用時には必ず保護手袋、長袖、長ズボンを着用すること。
蒸気の発生は少ないので換気を良くしておけば保護マスクは必要ない。
引火点は高いので室温で引火することはない。
■道具洗浄用、塗料希釈用の溶剤使用時の注意
エポキシやポリエステルを使用した道具の洗浄や塗料の希釈にアセトンやシンナーなどの溶剤を使用します。一般にシンナーと呼ばれるものは、トルエン、キシレン、酢酸メチルなどの多数の有機溶剤の混合物です。
これら有機溶剤の多くは引火点が低く、室温でも引火しやすいものが多い。また、有機溶剤の蒸気はたいてい空気より重く、低い所に溜まり爆発性の混合ガスをつくりやすい。
室温でも有毒な蒸気を発生するので有機ガス用保護マスクまたは送気マスクを着用すること。
揮発ガスを吸入するだけでなく、皮膚から吸収されるものもあるので注意が必要です。皮膚から吸収されても、蒸気を吸入したと同様に中毒症状を起こします。
皮膚に触れると皮膚炎を起こす場合があるので保護手袋、長袖、長ズボンを着用すること。
■塗料使用時の注意
塗料に含まれる成分により毒性は異なるので、詳しくは各塗料の取り扱い説明書を参考にして下さい。
揮発性有機溶剤を含む塗料は有機ガス用保護マスクまたは送気マスクが必要です。
毒性の小さい水性塗料では保護マスクなど必要ないものもあります。システムスリーの水性ポリウレタン塗料(WR-LPU)やスパーウレタンヴァーニッシュはスプレー塗装以外なら保護マスクは必要ありません。
■接着剤使用時の注意
接着剤に含まれる成分により毒性は異なるので、詳しくは各接着剤の取り扱い説明書を参考にして下さい。
エポキシ系接着剤の場合は上記の「エポキシ使用時の注意」とほぼ同様です。
■ポリエステル樹脂使用時の注意
エポキシのほかにFRPに使われる樹脂としてポリエステル樹脂があるので参考までに取り上げておきます。
ポリエステル樹脂は引火性が強く、夏期なら室温でも引火します。
蒸気を吸入すると中毒を起こすので、必ず有機ガス用保護マスクが必要です。
また、ポリエステル樹脂の硬化剤は爆発性のある危険物であり、取り扱いに注意を要します。
このように、ポリエステル樹脂はエポキシ樹脂に比べると危険度が高いです。
<応急処置>
■皮膚にエポキシや溶剤などが付いた場合
エポキシが付いた場合は汚れた衣服や保護具を脱いで、皮膚に付いたエポキシを紙や布で拭き取り、石鹸水で洗浄する。炎症が起きた場合は医師の診察を受けてください。
アセトンやシンナーなどの溶剤で拭き取らないこと。溶剤の多くはエポキシ以上に皮膚に有害です。シンナーなどには皮膚から吸収される成分を含んでいる場合があり中毒を起こすことがあるからです。
ポリエステル樹脂、有機溶剤や有機溶剤を含む塗料が付いた時も同様です。
■目に入った場合
直ちに多量の水で15分以上洗い流し、医師の診察を受けてください。
■蒸気を吸入した場合
作業中に有機溶剤などの蒸気を吸って頭痛、めまい、吐き気などを起こした場合、新鮮な空気の場所で楽な姿勢で横になり、すぐに医師の診察を受けてください。
■飲み込んだ場合
直ちに医師の診察を受けてください。