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エポキシの塗装について

エポキシの最終的な保護塗装は欠かせません

■エポキシと塗装について

エポキシは高分子の化合物です。これらは、太陽光線に含まれる紫外線で害を受けます。
紫外線を浴び続けると、エポキシの表面はツヤがなくなって白くなり(白化、チョーキング)、やがてひびが入り、最後にはボロボロになってしまいます。
これは何もエポキシに限ったことではなくて、高分子でできているものなら同じです。ポリエステルをはじめとするプラスチックも全て高分子化合物ですので紫外線の害を受けます。木材も高分子。日に焼けて変色するでしょう。ついでに言うと、私たちの細胞の中にあるDNAも高分子。紫外線を過度に浴びるとDNAが壊れて、ガンを引き起こしたりしますでしょう。
そこで、エポキシを紫外線の害から守るためには、塗装をしてやることが必要になります。
どんな場合でも塗装はエポキシコーティングのあとで行なう最終工程になります。
もちろん、日光の当たらない室内で使うなら紫外線保護のための塗装は必要はありません。

■システムスリーの塗料

システムスリーでは、エポキシ用としてマリンスパーバーニッシュとペナントトップサイドペイントを用意しています。これらにつきましてはエポキシとのマッチングも問題ありませんので、安心して使っていただけます。これらの塗料の特徴をまとめてみましたので選ぶ際の参考にしてください。

■マリンスパーバーニッシュ

主な特徴システムスリーが開発した改良型のマリン用油性ニス。耐紫外線性に優れる。耐水性、耐候性に優れる。ハケさばきがよく塗りやすい。ハケ目も出にくい。短所は、乾燥が遅いので作業性があまりよくないこと。
乾燥乾きは遅い。指触乾燥時間2~4時間。塗り重ねには12~24時間。ゴミなどが付着しやすいので注意。
透明な美しい琥珀色
臭い石油様の臭い
塗装方法ハケ塗り、スプレー
希釈、洗浄ミネラルスピリット(石油系のペイント薄め液でも可)
引火性あり(引火点41℃)
有害性濃い蒸気を吸入すると頭痛などを起こすことがある。
保護具十分に換気してあれば保護マスクは必要ない。スプレー塗装時にはミスト飛散するので保護マスクをする方がよい。

■ペナントトップサイドペイント(水性ポリウレタン塗料)

主な特徴システムスリーが開発した高性能のマリン用水性ポリウレタン塗料。(ツーパートリニアポリウレタン)硬化すれば強靭な塗膜を形成し、耐紫外線性、耐水性、耐候性に優れる。乾きが速いので作業性がよい。水性なので希釈や道具の洗浄も水でできる。有害な揮発成分もほとんどないので室内でも使用も可能。扱いやすさは抜群によい。しかも安全。
乾燥乾きが速い。20℃で指触乾燥時間約30分。塗り重ねには3~4時間。
クリヤー(無色透明)のほか12色の色付きがあり。クリヤーはツヤあり。色付きは半ツヤ。
臭いほとんどなし
塗装方法ハケ塗り、ローラー、スプレー
希釈、洗浄
引火性なし
有害性僅かに有機溶剤を含んでいるが通常の使用では人体に害を及ぼすことはほとんどない。
保護具十分に換気してあれば保護マスクは必要ない。スプレー塗装時にはミスト飛散するので保護マスクをする方がよい。

■その他の塗料について

塗料には大変多くの種類のものがあります。この種類の多さが、塗装の話を複雑にしている原因のひとつです。
塗料の話を本気でやり始めるとそれだけで本が1冊書けるほどになるでしょう。だから、このページでは多種多様な塗料について詳しくは触れません。さらに深く掘り下げたい方は、専門書などに目を通してみられることをおすすめします。

塗料には大きく分けて、透明なものと不透明なものがあります。不透明な塗料は光を通さないので、エポキシの保護に優れています。透明(クリヤー)な塗料を使うときは、紫外線吸収剤を含んだ専用の塗料でないとエポキシを紫外線から守ることはできません。

<アルキド系塗料>

手に入りやすく、扱いやすく、コストも安い。塗膜はそれほど硬くないのでキズが付きやすい。耐紫外線性もそれほどよくない。

<エポキシ系塗料>

これも基本的にエポキシなので耐紫外線性がそれほどよくない。室内で使うなら問題はない。

<1液型ポリウレタン塗料>

1液型のため扱いやすいが、成分によりエポキシに適合しないものがある。WR-LPUや2液型ポリウレタンに比べると性能は劣る。

<2液型ポリウレタン塗料>

塗膜は硬く、丈夫で、耐紫外線性が優れている。エポキシとのマッチングもおおむね良い。ただし、人体に有害な揮発性有機溶剤を含むため作業には注意が必要。また、美しい仕上げを得るにはかなりの熟練とテクニックが必要。プロ向け。

<船底塗料>

成分によりエポキシに適合しないものがある。

<ポリエステル系塗料>(ゲルコートを含む)

硬化したエポキシ中には未反応のアミンが残っていることがある。この場合は、ポリエステル系塗料(ポリエステル樹脂も)はエポキシとの接触面で硬化しない。

このように、塗料に含まれる成分によって、エポキシの上でうまく乾かないものがあります。また乾いても付着が弱いものもあります。市販の塗料を使う場合は、使用前にエポキシとの適合性をテストすることをおすすめします。
詳しいテスト方法は、「エポキシブック」を参照ください。

■着色について

<素地の着色について>
エポキシコーティングの前に、素地の木材を着色することもできます。
ただし、これも塗料と同じでエポキシとの適合性が問題です。ほとんどの場合は、着色剤がエポキシの接着を妨げることはないですが、含まれる成分によっては適合しないものもあるので、使用前にはテストを行なうほうがよいでしょう。
詳しいテスト方法は、「エポキシブック」を参照ください。

<システムスリーのエポキシ着色剤について>
システムスリーのエポキシ着色剤は、エポキシ樹脂そのものに混ぜて色を付けるものです。
これは、日光を浴びる所では最終仕上げにはなりえません。紫外線からエポキシを保護するためには、この上にさらに塗装が必要です。


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