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カヌーの歴史

カヌーの始まり

人が初めて水の上を移動する手段として用いたものは何だったのだろう。それは、おそらくただの丸太の様なものだったのだろう。その次に、丸太を何本か組み合わせた筏(いかだ)となり、さらにくり舟(丸木舟)へと発達 していったと考えられている。このようなくり舟(丸木舟)のようなものがカヌーの先祖と考えて良さそうである。これらは数千年も前の話である。
くり舟が発達すると舷側に木の板が継ぎ足され、水面よりかさ上げされていった。これはやがてボートへと発展していくのである。
チグリス川、ユーフラテス川では、くり舟や柳の枝を編み獣皮で覆ったかご舟が使われていたという。
最も初期のカヌーは、軽い木のフレームに動物の皮や木の皮を、水が漏れないようにぴったりと張って造られていた。これらのカヌーの構造上の特徴は、すべての部分が湾曲した弓状を呈しており、 弾力性に富んだ強さを持っていることである。このような構造によって、軽さのわりに強靱である。しかも流線型構造のため、重い荷物を載せた場合でも楽に漕ぎ進むことができるのだ。
とにかく、世界中を見渡してみても、水のあるところには必ず舟があると言っても良い。舟を造るのに適した材料があり、そして技術があり、舟の必要性が大であるならば、舟はどんどん進化 し高度に発達していく。北アメリカのバーチバーク(カバの樹皮)カヌーはその高度に発達した良い例である。しかし一方では、未だに原始的な丸木舟を使っている人々もいるのである。
水上交通の手段としてのカヌーは、その地方により独自に進化していったのである。

北アメリカにおけるカヌーの歴史

バーチバークカヌーが一体どれぐらい昔からあったのかははっきり分かっていない。16、7世紀、アメリカ北東部に初めてやってきた白人 探検家たちは、インディアンのカヌーを見て驚いたと言われている。 なぜなら、インディアン達はきちんと進行方向を向いてカヌーを漕いでいたからである。ヨーロッパにあったのは、いわゆる手漕ぎボートと呼ばれる、漕ぎ手が進行方向に対して後ろ向きに座って 漕ぐタイプのものであった。ヨーロッパにはカヌーのような小舟はなかったのである。しかも、その運動性能の良さはヨーロッパのボートなどとは比べものにならなかった。白人達がそんな 素晴らしいカヌーを利用しない手はなかった。白人達は、毛皮を求めてカナダ中に カヌールートを切り開いていった。川と湖だらけのカナダは、カヌーを使って国中ほとんどどこにでも行けるのだ。 やがて、毛皮商達は全長12.5メートルもある大きなカヌー (ファー・トレード・カヌー) をも作り出した。この大きなカヌーには4トンもの荷を積むことが出来た。
こうして、新しい素材のカヌーにとって替わられるまで長い間バーチバークカヌーは活躍したのである。

1860年代になると、カナダ、オンタリオ州のピーターボロあたりで、オールウッドのカヌーが作られた。これは、この地方の刳り舟を元にヨーロッパのボート作りの技術を用いて作られた。 デッキはなく、2人以上の人を乗せることができ、シングルブレードパドルで漕ぎ、セールも取り付けられ帆走も可能だった。
ウッド/キャンバスカヌーが初めて作られたのは、1870年代だと言われている。メーン州のバンガーのあたりで、ペノブスコット族のバーチバークカヌーを元に作られたらしい。1880年には、 アメリカカヌー協会(American Canoe Association)(ACA) が設立された。しかし、当時カヌーと言えば、ヨーロッパの工法で作られるカヤックタイプの物(オールウッドでダブルパドルで漕ぐ)や、デッキ付きのセーリングカヌー のことであり、ネイティブアメリカンのバーチバークカヌーやウッド/キャンバスカヌーなどはあまり見向きもされなかった。オープンデッキタイプのカヌーが、アメリカカヌー協会によって カヌーとして認められるようになったのは、1890年になってからのことである。
ウッド/キャンバスカヌーの一番最初のビルダーは、メーン州バンガーの イヴァン・H・ゲリッシュ(Evan(Eve)H.Gerrish) である。彼は1875年頃からカヌーを作っていた。 1882年には、B.N.モリス(B.N.Morris) が、 1888年には、E.M.ホワイト(E.M.White)などのビルダーが活躍しはじめた。カナダ、ニューブランズウィックにも1897年に チェストナット・カヌー(Chestnut Canoe) が設立された。1900年には、オールドタウンカヌー(Old Town Canoe) が設立され、現在まで続いている。
技術的なことを一つ付け加えておくと、オープンガンネルができたのは、以外に新しく1905年のことである。
1920年代までに、ウッド/キャンバスカヌーは現在のスタイルと組立方法が確立された。1920年代がまさにウッドカヌーの絶頂期であった。
その後、カヌー人気は衰え、1950年代半ばまでには、ウッドカヌーを作るメーカーはほとんどはなくなっていった。その中でも残ったのは、オールドタウンカヌー、チェストナットカヌー、E.M.ホワイトカヌー の3社であった。E.M.ホワイトカヌーは、 1960年代の初めに、初めてファイバーグラス製のカヌーを販売した。やがて、価格の安いファイバーグラス製の物などが主流になっていく。オールドタウンカヌーの1972年のカタログには、 ウッドカヌーはわずか6種類(24ページ中2ページ)だけになった。
  しかし、近年になって木製カヌーの魅力を再発見する人が増えている。また、現在でも数は少ないが素晴らしいビルダーがいることも確かである。

パドルを持っているのはおそらくガイドであろう。立ったままでパドリングするために非常に長いパドルを持っている。
1880年代の写真
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